カタヌキとは?


 カタヌキとは、薄い板状の砂糖菓子(略して板菓子)に

彫り込まれた動物などの「形」の周囲を削り、

綺麗に形を抜き出す、縁日によく見られる遊びである。

 そして綺麗に仕上げた型を屋台の人に提出すると、

いくらかの報酬がもらえる。難易度の高い型ほど、

それを成功させたときの報酬も大きい。


「カタヌキ」の相場は、年々かわりつつある。

カタヌキ一枚を成功させた事への報酬、

そしてカタヌキ自体の値段である。

 カタヌキの値段は、一枚100円のところもあれば3枚で

200円とセット売りにしているところもあり様々であるが、

縁日におけるそのほかの屋台の品の単価も

近年上昇傾向

(例:チョコバナナ>一本100円−>150円−>200円)

にあることから、

この程度の価格はまぁ適正といえる。


 問題は、その報酬が年々安くなっていることなのだ。

 カタヌキを成功させた事への報酬は、大抵作業場の上に

一覧表が置いてあるのでそれを見ればわかるのだが、

近年は不景気のためかその報酬は非常に僅かなものと

なっている。例えば、右の型などは成功させても

たったの200円なのである。


 昔は1000円モノはおろか5000円モノ、10000円モノ

まであって、「ケタが違うんじゃないか」と子供達を

ビビらせたものである。そして期待と妄想に夢を膨らませ、

無謀にもそういう複雑な型になけなしのこづかいを

投資している子供もすくなくなかった。


 今は紙に包まれているものを屋台の人間が

ランダムに選ぶので型の種類を選べなくなり、

こちらに回ってくるのはどれも1000円以内、

それも200円・300円クラスの簡単な型ばかりである。


 然しよく考えたら昔の型は可成り複雑で

絶対にクリアできなさそうなものも多かったから、

現在のように一つ一つの「報酬」は安くても確実に

クリアできるほうがこちらにとっては非常に

好都合なのかも知れない。

カタヌキに来る子供達、それに一部の大人達はそれでさえも

容易にクリア出来ないのだから、カタヌキ屋としては

十分もうけているだろう。



 カタヌキには質の良い板菓子が欠かせない。



ここで言う「質の良さ」というのは、

ある程度薄く平らな板菓子のことである。

粗悪なものは分厚く歪んでしまっている。最悪だ。

 溝が綺麗に彫り込まれているとなお良い。

右の2種類のカタヌキで言えば、下の製品の方が上質で

カタヌキをする者にとっては嬉しい素材である。






板菓子の包装紙。
この包装紙の製品は
可成り上質である。
 要チェックだ。